先日、東京藝術大学大学美術館で開幕した「買上展」の内覧会に参加してきました。展覧会の内容については、こちらのレポート記事が公開されたので、こちらを見ていただけると嬉しいです!
ブログでは、記事にはしなかった感想をちょっとだけつぶやきます。
まるで藝大の”地層”!?
今回の展示は、B1階、3階、2階の順で進む動線なのだが、このフロアの順番と展示構成がリンクしており、まるで“地層”だと感じました。
というのも、B1階には2つの展示室があり、最初の展示室に1部の東京美術学校時代の作品、2番目の展示室に、第2部の「日本画」「油画」「彫刻」「工芸」科と歴史の長い学科の作品が展示されています。このフロアだけを見れば、明治時代から現在まで各分野の表現(画題や技法)の変遷をたどることができる。例えば「日本画」の場合、第1部の明治期の作品では、歴史上の人物や仏教、風俗を主題にする作品が多いが、第2部では、時代を経るに従って個人の内面に向き合うような作品がみられる、というように。
続いて3階のフロアに移ると、「デザイン」「建築」「先端芸術表現」「美術教育」「文化財保存」「グローバルアートプラクティス」「作曲」「メディア影像」と、近年創設された学科も含めて多様な8科の作品が集結します。B1階の4科と異なり、一見しただけではどの作品がどの学科なのか判別できないほど表現手法は多様化していきます。
この3階の展示室に入った瞬間「芸術は爆発だ!!!」といった感じで、巨大なインスタレーション作品や映像(アニメーション)作品などが点在する感じが面白い!
そして、最後の2階では「先端芸術表現」から、現在[me:]のメンバーとして活動する荒神明香の作品が展示されています。場所はいわゆる“展示室“ではなく、窓が全面ガラス張りになったロビーのため、外の景色を借景とした展示となっており、まるで[me:]の活動のように、”芸術作品“が美術館の中だけに収まるのではなく、屋外での展示やフィールドワーク、芸術祭など様々な場所で起こる現代の芸術の在り方を再現しているようだった。
このように展示が過去から現在へと進むのに沿って、鑑賞者も地下から地上に向って進むーー下から上に積み重なる地層のように、藝大の歩みも先人たちの表現を土壌として積み重なり、広がっていくことを会場の空間全体で体感した気になった。
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