グッチ銀座ギャラリーで開催中の「横尾忠則 未完の自画像」展。
世田谷美術館の「連画の河」展が素晴らしかったので、こちらにもずっと期待と思っていて、ようやく訪問。

最新作の展示かと思いきや、過去の作品と最新作が、工事現場の足場を模した空間の中で展示される。代表作の「Y字路」シリーズや、ベックリンの《死の島》をオマージュした作品など、精力的かつ丹念に描き込むことで陰鬱さをまとった若い頃の作風に対して、最新作の自画像(および家族の肖像画)では粗いタッチで、画面の隅には一部塗り残しもある簡略化されていくと同時に画面全体は朗らかになっていく。その対比が面白い。

サグラダ・ファミリアではないが、画家としての人生は、「永遠に完成しない工事現場」のようなものであり、変化し続けるものであることを、物語る展示だ。

そして、工事現場を模した展示空間も、横尾の関心ごとの1つなのだろう。建築と絵画を一体として見せる展示は、豊島の横尾美術館にもつながる。

階段を昇ると、屋外にも作品が展示されている。

東博の「寒山百得」展から、世田美の「連画の河」展、そして「未完の自画像」展。今改めて、横尾忠則という画家が面白い!!!
「未完の自画像」展は、2025年8月24日(日)までなのでお早めに!
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