s**t kingz(以下、シッキン)のライブツアー2025「s**p」が終わった。
2年ぶりとなるライブツアーのコンセプトは「船」の「ship」と、「friendship」のように状態や能力、関係性を示す接尾語「ship」を掛け合わせ、各地を旅して、人と人の結びつきを強める、といつもの。全国8都市を巡るツアーの内、私は名古屋、仙台、東京、広島での公演を旅してきた。(本当は仙台公演は行く予定ではなかったのだが、名古屋公演が楽しすぎてついついチケットを追加してしまった)
「s**p」ロスを埋めるべく、思いつく限りの感想を綴っていく。
オープニング~前半

ステージにはバンドの機材と共に船旅を象徴する円形の舵が1つ置かれている。開演時間になると、まずバンドメンバーが登場し、ドラム、キーボード、ギター、ベースそれぞれのソロ。やがてシッキン4人が下手から登場する。
前回の「踊ピポ」ではオープニングに「オドレナクナール光線を浴びて世界中の人が踊れなくなる」という設定を映像で流し、コンセプトの世界をまず示す形だったが、今回はそうした作り込みはせず、シンプルに身体一つで登場する4人。
「Believe In My Soul feat.笠原瑠斗」
そしてこの船旅の幕開けを飾るのは「Believe In My Soul feat.笠原瑠斗」。元々2月に行われた舞台「See」 で制作された曲。舞台では沢山の苦悩を経てようやくたどり着いた答え、結論としてパフォーマンスされたこの曲が、今回は旅の始まり(起点)となる。
舞台を観た人にとってはあの時の続きにも感じられ、新たな物語の始まりを感じさせる。白を基調にした軽やかな衣装は大海原を航海する航海士たちのイメージ。カズキさんに袖口が広がったヒラヒラのシャツを着せた人、出ておいで。この世のすべてをくれてやるぜ。
「SMOKE」
爽やかで希望に満ち溢れたオープニングに続いて2曲目が「SMOKE」。これまた舞台「See」 でNOPPOさんがソロで披露した曲を4人で踊る。タイトルの通りタバコを小道具に使い、タバコの煙と銃口から出る煙を吹くイメージを重ね合わせ、「SMOKE」という歌詞にあわせて煙を吐き出す。
色気3部作で「色気」をセクシャルな魅力という意味に限定せず、生命の美しさと捉えて…と言ってたのどこいった?セクシャルな魅力大放出やんけ!!!!…はっ!取り乱してしまった。先程までの爽やかでエモーショナルなムードを一変させて、2曲目から既にお客さんを色気の海に溺れさせる。
「MORECHAU」~MC
「SMOKE」が終わったところでshojiさんが会場を煽る。会場のギアを1段階上げたところで披露されたのが「MORECHAU」。冒頭でオグリさんがベストを広げる仕草、かわいいぜ。TVでも度々披露されシッキンのスキルフルな部分、極めた人だからこそできる余裕と尖りを見せる。
冒頭3曲で既に畳み掛けたあとで、ここでメンバーが挨拶。会場によっては、いきなり歌い出したり(それにバンドがアドリブでリズムやメロディー入れ出す)、会場の場所(都市)にちなんだ挨拶にするなど、キレキレのパフォーマンスから一変して、4人(+バンドメンバー)のワチャワチャしたやり取りに笑いが絶えない。
そして今回のコンセプト「s**p」の説明。基本的にオグリさんが担当。回を重ねるごとに先生キャラが濃くなっていく。東京公演でオグリさんの説明中に後ろで3人がふざける⇒客笑う⇒オグリさん振り向く⇒3人何事もなかった顔する、のくだりを2回ほど繰り返した時に「先生は悲しいです!」という小学校の先生あるある?なセリフが面白かった(笑)。オグリさんが小学校の先生だったらという妄想をしてしまった。
そして実はまだ出航前で、これから船長を決めるという流れに。毎公演ジャンケンで船長を決める。ここからは完全にアドリブで船長の指示に従って、お客さんも一緒に体を動かす。シッキンライブでは恒例の参加型パート(ストレッチもしくはリズムトレーニング的なパート)。
船長がお題を出して残りの3人がお題に沿った動きをするパターンや、船長が全部動きの指示出すパターンもあり、東京公演ではオグリ船長の命により飛行機のお題を出されたNOPPOさんの三連続トビシャチという大技も!船長は結局NOPPOさん、shojiさん4回、オグリさん2回、カズキさん1回(私はカズキ船長のみ未体験)。
そうこうしているうちに、船は「パーティーアイランド」に到着。名前からして盛り上がること必至の展開となる。
「パーティーアイランド」パート
まずは「えがお! feat.PES」。「え」が「お」になる、という言葉遊びのような歌詞と、PESさんの独特な声が相まって、陽気で自然に笑顔になる楽曲。
続いて「On my side feat. issei」。これまでカズキさんのソロ、2年前の踊ピポツアー&武道館では男性の色気を全面的に押し出したセクシーなパフォーマンスだったが、今回はそうした色気というより、ダンス自体のクールさが際立っているように感じた。…………いや待てよ?カズキさんががっつり腹筋見せてきたのこの曲だったよな?…前言撤回、普通に色気を振りまいていた(なんなら割とダイレクトに)。
そして「𝑻𝒖𝒓𝒏 𝑼𝒑 𝑻𝒉𝒆 𝑳𝒐𝒗𝒆 𝒇𝒆𝒂𝒕. 𝑹𝑰𝑬𝑯𝑨𝑻𝑨」は、昨年開催された「シッキンフェス」以来のパフォーマンス。ダンサー仲間であり妹分のような関係のRIEHATAさんとのコラボ楽曲。愛のボリュームを上げていくというメッセージが5人の個性や関係性と相まって心地よい。洗練されたオシャレさと、愛を歌う熱量が溶け合い、独特なグルーヴが生まれる。
「FFP feat. C&K」は「♪踊る革命家〜」からラストまでの流れ。私はずっと本曲を「シッキンの名刺代わりの一曲」と例える。ダンスのスキル(難易度)、楽曲のカッコ良さでテレビでよく披露されるのは「オーシット」や「モレチャウ」だが、「FFP」にはカッコ良さ、コミカルさ、可愛さ、出来る奴の余裕の顔も、高みを目指して藻掻くひたむきさも、シッキンのいいとこ全部詰めだと感じるので、「名刺代わりの一曲」と言えばやっぱりこの曲を私は推す。「かつてファーストペンギンだった人達」ではなく、いつでも今この瞬間、ファーストペンギンであり続けてほしいので、ずっとこの曲を踊り続けてほしい。(もちろんどの曲も全部踊り続けてほしい)
「FFP」の「ザワザワザワザワ…」でジャン県する流れで、客席にも「愛知県の人」「その他の県からきた人」などのお題で、該当するお客さんもジャンプ。一通りコミュニケーションとった後、カズキさんが「言われたからって普通にジャンプするのはねぇ~。ダンスに必要なのはオリジナリティー(公演の後半からは良い発音を通り越してもはや「オリフィナリフィー」に聞こえる笑)」ということで、オリジナリティーの見本としてshojiさんに振る。それを何回も繰り返し、「ザワザワ…」のBGMの感覚が短くなっていき、そのままshojiさんソロへと突入。
shojiソロ
ここでshojiさんに身も心も撃ち抜かれた人、手挙げてー。はーい(^o^)/
ということで老若男女全員撃ち抜かれたことでしょう。手でピストルを作り文字通り撃ち抜く振りをふんだんに盛り込み、shojiさんのパッション溢れる色気が炸裂。おお、そうだ。炸裂という表現がぴったりだ。爆発的な笑顔とスモーキーアイの振れ幅で心を掻き乱して、会場隅々まで文字通り撃ち抜く。この人の笑顔とパッションを浴びたら最後、ダンスもshojiさんも好きになるしかない!
Oguriソロ
続いてオグリさんソロ。ダンス未経験者でも「ダンスと言えばこれ」というようなロックダンスから始まり、バンドの各楽器とのセッションを楽しむ。オグリさんのダンスに会場沸く⇒沸くから演奏もダンスもギアがかかる⇒ギアがかかるからさらに会場沸くという無限ループ。オグリさんが一旦それを切って仕切り直すと、今度はTHEミュージカル調に、最後はまたロックダンスに戻ってテンポアップして、華麗なターンでフィニッシュ!!このフィニッシュのターンで大量の汗がきれいに360°に散る様もこれも作品のうち、と言える位に鮮やかに散る。
一度暗転して次に照明がつくと座り込んでヘトヘトな様子のオグリ。サイレントでお客さんにも休憩して座るように促す。そこからバンド演奏。
(後編に続く)
コメント