茶通箱の点前稽古
先月に続いて茶通箱の点前。四ヶ伝の1つで、他の点前が「道具主体」なのに対して、茶通箱は「人が主体」の点前だという。客の仕事(役割)が特に多く、全体の流れを理解してどのタイミングで何の声かけをするかを理解していないと進まないからだ。
また、本来濃茶は一碗の茶を回し飲みするのが基本だったが、コロナ禍で各服点て(一人一碗)の形で行うことが多かったので、これまで濃茶の本来の飲み方をきちんと行う機会が少なかったが、先生が上の点前をしていくにあたり、そのあたりの作法を覚えるためにも省略したりせずに稽古することになった(実際に飲むのは客のうち誰か1人)。
ついつい作法の手順を覚えることを第一に頑張るけど、茶道の世界で稽古場の外に出る時に多くは「客」の立場からスタートすることが多い。その中で客の作法がきちんと身についていないと、その程度のレベルかと相手に思われてしまうという事で、改めて客の作法も心がけて稽古していかなくてはと思う。
確かに他の茶会に呼ばれた時は緊張して「お先に」などの挨拶をすっかり忘れてしまうことがある。どんなに緊張しててもそれが出てくるように日頃から心がけておかないと。
【備忘録】
・濃茶点前では茶巾出す前に水指の蓋を袱紗で清める
・風炉で前水一尺入れるのは、この時期の茶は壺から開けて時期が経っているから(前年の5月に摘んだ茶葉を使用してるため熱湯をかけたら香りがすぐに飛んでしまうから、湯の温度を下げるため)
・拝見のタイミングは平点前なら建水下げた後、四ヶ伝以上は茶碗が下げられた後
・手首を曲げない(キョンシーのような格好にならないように)
感想
前回の稽古で初めて茶通箱の点前を習ったが、箱の扱いや全体の流れなど違うことが多くてチンプンカンプンだった。2回目は、他の方の稽古で客として入ったりしたこともあって、何となく全体の流れがつかめた気がするが、まだうろ覚えなところが多い。
先生曰く、実際に茶通箱の点前をする機会はあまりないそうだ。(2種類のお茶を用意しないといけないので、確かにかなり特殊な機会だよな…)
ちなみに稽古の日は、昼間の暑さはどこへやら、午後は突然の激しい雷雨。茶室の中で雷鳴に怯えながらの稽古でした。一時は庭に川ができるほどの雨だったのに、帰る時にはすっかり雨も止んで、川のようになっていた庭の水溜りもいつの間にか引いていってしまっていました。自然の力のすごさを感じた。
あと、雨になってから「声がいつもより響かない?」と気付いた先生。点前に気を取られていたからという言い訳を差し引いても、そのわずかな違いに気づくことができることに内心感動した。
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