東京で日本美術を観るならこの美術館!厳選2館

美術

「日本美術には興味あるけど、結局どこが良いの?」という人も多いのでは?
日本美術をコレクションしている博物館・美術館は東京だけでも多くありますが、今回はその中でも日本美術に詳しくない人でも楽しめる「まずこの館に行けばOK!」と思う厳選2館を紹介します。

東京国立博物館(上野)

2021年1月3日撮影

日本を代表する美術館・博物館をたった1つだけ挙げろと言われたら、やはり東京国立博物館(略してトーハク)をおいて他にないでしょう。ちなみに国立の博物館は次の通り。

  • 京都国立博物館(キョーハク)
  • 奈良国立博物館(ナラハク)
  • 九州国立博物館(キューハク)
  • 国立アイヌ民族博物館

最後の国立アイヌ民族博物館は、2020年に開館した新しい博物館。私もまだ行ったことがないのでせめて今年には訪れたいなと思っています。(余談ですが筆者は昨年より漫画『ゴールデンカムイ』にドはまり中なので、行きたさMAX)
各地の国立博物館はそれぞれの地域の特性も生かした質・量ともに高いレベルのコレクションを有していますが、やはり東京国立博物館はその歴史の長さ、コレクションの量からしても筆頭でしょう。

美術を通して日本の歴史を振り返る

東京国立博物館の展覧会というと、つい平成館で開催される特別展(「鳥獣戯画展」など主催にマスコミが加わった大型展)が注目されがちですが、東京国立博物館の常設展(コレクション展)は、日本の歴史を凝縮した一大展覧会。本館(上の写真の建物)では、縄文時代から近代までの絵画、工芸、彫刻などがそれがいつ行っても観れる最高に贅沢な展示なのです!

※特別展のチケットで常設展も鑑賞可能なので、特別展を見た後には絶対本館にも足を運ぼう。

・本館の展示スケジュール

国宝1点を存分に味わい尽くせる特別な一室

この本館の常設展では、2階に「国宝室」という一室があります。ここは展示室の中に国宝をたった1点だけ展示している常設展の中でも特に贅沢な空間。日本美術は西洋美術の油絵などと違って光に弱いので、長い間展示することができません。それが例えば「ルーブル美術館=ダヴィンチのモナリザ」のような美術館と所蔵作品の結びつきというのが、比較的弱くなる理由にも思えますが、言い換えればそれだけ多くの名品に出会えるチャンスでもあるということ。

今年の「国宝室」での展示スケジュールはこちら

必ずとは言い切れませんが、大体1月頃に長谷川等伯「松林図屏風」雪舟「秋冬山水図」のように歴史の教科書などで目にした事があるメジャー級の作品が出るので、それに合わせて行くのもおススメです!

今年は特に”トーハクイヤー”

もし人生でまだ一度も東京国立博物館に行った事がない、もしくはいったかもしれないけど覚えていないという人がいたら、今年は「トーハクで日本美術と最高の出会いをする大チャンス」の年です!!

というのも、今年で東京国立博物館は開館150年。それを記念するビッグな展覧会が10月から始まるのです。その名もまさに

東京国立博物館創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」

本展は、東京国立博物館創立150年を記念し、膨大な所蔵品の中から国宝89件すべてを含む名品と諸資料を通して、東京国立博物館の全貌を紹介するものです。展示は2部構成で、約150件(予定)を展示します。

展覧会公式HPより抜粋

日本美術ファンはもちろんですが、「日本美術詳しくない」っていう人にもおススメの展覧会でしょう。

サントリー美術館(六本木)

次におススメしたいのが六本木のミッドタウンの中にあるサントリー美術館。その名の通り飲料メーカーのサントリーが母体となっている美術館です。

コレクション(展覧会)の幅が広い

日本美術ビギナーの人に向けて私がサントリー美術館をおススメするのは、そのコレクションのバリエーションが広い、つまり展覧会のテーマが他の私立の美術館(日本美術中心)と比べて比較的に多彩な点です。近世絵画、日本や海外の陶磁器、琉球の紅型、日本だけではなくフランスのエミール・ガレの工芸作品やガラスの器など、ジャンルの幅が広いなーと感じています。

それ故に、展覧会も中世の仏教美術、近世の画家、工芸など様々なので、何かしら自分に合ったジャンルが見つかるのではないでしょうか!

サントリー美術館の2022年の年間スケジュールはこちら

マニアック、だがそれが良い!

サントリー美術館でもマスコミと共催する展覧会も開催されるので一概にすべての展覧会がそうだとは言いませんが、サントリー美術館の展覧会は、何と言うか「マニアック」、あるいは「ミクロ」な視点の展覧会という印象です。

例えばトーハクではその大きな展示空間を利用して「運慶展」のように大きな彫刻作品をドーン!!と展示するダイナミックさ、あるいは「茶の湯展」のように1つのテーマについてその歴史を一望するようなスペクタクル性のある展覧会が開催されます。そうした”マクロ”な展覧会だったらその中の1コーナー位の小さなテーマを、サントリー美術館では1つの展覧会にするイメージです。

これはどちらが良いという事でもなく、大型展の縮小版というつもりもなく、むしろ大型展では掬いきれない細やかな流れを知り、感じることができるということです。

なのでざっくりと言えば、
・東京国立博物館で日本美術の大まかな枠組みを作り、マスターピースをおさえる
・サントリー美術館でその大まかな枠組みの隙間を埋める

というのが、これから美術鑑賞をしていこうとする方におすすめします。

体験型の展覧会も開催

近年サントリー美術館では、体験型の展覧会が開催されています。

  • 「ざわつく日本美術」(2021)
  • nendo × Suntory Museum of Art
    「information or inspiration? 左脳と右脳でたのしむ日本の美」(2019年)
  • 「おもしろびじゅつワンダーランド2017」(2017年)
「ざわつく日本美術」展展示風景(硯箱の蓋と身のパズル!!所蔵作品だからできる遊び心溢れる展示)
「information or inspiration? 左脳と右脳でたのしむ日本の美」展
「おもしろびじゅつワンダーランド」展

こうした展覧会では、通常の展覧会のように作品をガラスケース越しに眺めるのではなく、作品の良さを体感するための様々な仕掛けが施されていて、「日本美術ってよくわからないなー」という人にも作品の楽しみ方のエッセンスを体得できるような工夫がされています。とにかく美術館で過ごす時間がワクワクするように!という仕掛けが満載の展覧会も企画されているので、ぜひこうした展覧会からスタートするのもいいでしょう!

おわりに

日本美術を観ようと思った時の最初に行くのにおススメの美術館(博物館)の厳選2館を紹介しました。とはいえまだまだおススメの美術館はあるので、今後色んな切り口で紹介していきたいと思います!

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