新年を祝う茶会「初釜」
今日は、新年になって初めての茶会である「初釜」を、お稽古の社中で行いました。茶道をはじめて3年目、初釜の参加は2回目となる今回の茶会では、正客を務めることになりました。
正客は、茶席において全てのお客様の代表となる立場。亭主への挨拶や声掛け、濃茶・薄茶の手前の時の問答など、全体の手順が分かっていないと務まりません。当日までに教本で正客の役割をざっと目を通したけど、なかなか頭に入らない(苦笑)。
稽古場の社中だけの茶会なのでガチガチに緊張する必要はないけれど、同じ会に同席する皆さんが残念な気持ちになったら申し訳ないので、勉強勉強!
梅も先ほころび、「新春」の喜びを祝う
そんなこんなで当日。6時に起床して、着付けとヘアセット。着付けは1時間くらいで着ることができるようになったけど、まだ細かいところはきれいにできない。着付けも場数が必要!!
さて、稽古場に着くと庭の梅の木がきれいなピンク色の花を咲かせていました!!
例年よりも咲くのが早い。
茶室や待合の写真は載せられませんが、「卯年」ということでウサギにちなんだお道具や、新年にふさわしいお軸、めでたい文様があしらわれたお道具などなど、自然と心が新しい年を祝う慶びと、清々しい気持ちで満たされます。
懐石の心得ー器を拭くもの&ゴミ袋の準備
茶会の最初は「懐石」。一同で亭主が早くから準備してくださる手の込んだ料理をいただきます。
正客は、亭主から最初に器や酒をいただくので、その対応や、そしてお詰(つめ)との呼吸を合わせるなど、ぼーっとはしていられない。
でもここで粗相をしてしまった。2回目のご飯とお汁が出てきた時、もう既に会食は始まっているので、ここでは順次食べていいのだと思って、まだ全員の2回目のご飯とお汁が出てない時に、ご飯を一口食べてしまった!!!
※本当は、全員のご飯と汁が出たら、全員で一斉に2椀の蓋を開けます。
正客なのにこれは恥ずかしい・・・・。
そして、もう1つ勉強になったのは、懐石では向付(むこうづけ)でお刺身などが出たりしますが、その器をそのままにせず、手持ちのティッシュなどで拭いて最後お膳を下げてもらいます。
器が汚いまま返さないという心配りですね。
茶席では「懐紙」という万能アイテムがありますが、懐紙だとちょっと固いので器が傷つくと感じる方もいるようなので、ティッシュなどやわらかい素材の拭くものと、その拭いたものを入れておく小さめの袋を用意しておくのが、お客様の心得とのこと。
そんな粗相&勉強をしつつも、終始美味しい料理を楽しみます。1つ1つが宝石箱のように、素敵な器にきれいに盛られた料理の数々。
濃茶
そして、懐石の後は主菓子。初釜のお菓子は「花びら餅」。これを食べると新年だなぁという気分。
中立(なかだち)という途中休憩をはさんで、濃茶席。今回は先生自ら全員の濃茶を点ててくれるという贅沢な時間。やはり手前では一切無駄のない、かといってだらっと流れていない、心地よくきれいな所作で勉強になります。
そして、先生が点てた濃茶がおいしい!!!お茶の香りがふわーっと鼻腔をくすぐり、濃茶独特の出汁のような味わいが口の中に広がり、前席(懐石)でのお酒でほろ酔い気分だったのもスッと消え、脳が冴えてくる!
続き薄茶
今回は、「続き薄茶」の手前で行いました。本来は濃茶を全員頂いたら仕舞いつけをしていったん全員堆積して、また「薄茶席」となるのですが、「続き薄茶」の手前では、濃茶が出たら、そのまま続けて薄茶の手前となります。
面白いのが、この続き薄茶になると、お茶を飲む順番が正客からではなく、次客からになるという点。正客は次客が先に飲んでいる間に、濃茶の時に使った茶入・仕覆(茶入れを入れる袋)の拝見をかけます。
続き薄茶の場合、最後に「(濃茶用の)茶入」「茶杓」「仕覆」「(薄茶の)棗」の4点を拝見します。普段の問答の稽古の「総復習」といった感じ!
感想
普段の茶道の稽古では濃茶や薄茶の手前がほとんどで、茶会(懐石)での作法は、こうした初釜や炉開きなど、年に1~2回くらいなので、こうした機会に勉強できて楽しい。
慣れないうちは「決まりごとが多い!!」と感じる茶道ですが、やっていくうちにそれが「最も合理的かつ亭主・客双方に取って気持ちよく過ごすための心配りの型」であることが分かってきます。
この「心配りの型」をもっと自然で美しくできるようになりたいものです。
今年1年もしっかり稽古に励んで、茶人としての心と型を磨きたいものです。
せっかく立ち上げた「よもつ茶道記」記事ですが、私自身が勉強中の身のため何を書けばいいか悩んで更新できていませんでしたが、今年は積極的に更新するようにします!
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