『ゴールデンカムイ』聖地巡礼旅。旅の3日目は白老町のウポポイに行きましたが、こちらは漫画の聖地ではないので「番外編」として紹介するとして、今回は4日目の「小樽」。物語のスタートはこの小樽から始まり、単行本の第1巻~5巻に多くの建物が登場します。
タイムスケジュール
7:59 JR札幌駅発⇒8:40頃 小樽駅着
9:10 バス(おたる水族館行)発
9:30頃「祝津」下車⇒徒歩で「鰊御殿」(約40分)⇒徒歩15分で「旧青山別邸」(約40分)
12:31 バス「祝津3丁目」発⇒「手宮」下車
13:00頃 小樽市総合博物館(本館)(約40分)
13:40頃 徒歩で運河館に向かう
14:00頃 小樽市総合博物館(運河館)
~ 徒歩で「小樽浪漫館」「大正浪漫館」
15:00 小樽新倉屋本店で花園だんご
15:40~16:00 日本銀行小樽支店
16:30頃 小樽駅発⇒17:30頃 札幌駅着
鰊御殿
小樽駅から「おたる水族館」行きのバスに乗り込みます。
坂道をどんどんと登り、バスで「祝津」下車。のどかな漁港を少し歩くと、小高い丘に見えてきました「鰊御殿」。見覚えがある外観!!!赤い屋根が特徴的で遠くからでも目立ちます。
小樽のニシン番屋が登場するのは単行本4巻(37話)から。ちょっとややこしいのですが、囚人・辺見和雄と遭遇する「ニシン番屋」は、実際には3つの建物をモデルにしています。
①鰊御殿(@小樽):ニシン番屋の外観
②旧青山家漁家住宅(@北海道開拓の村〔札幌〕):内装→辺見和雄らが寝泊まりしていたシーン
③小樽貴賓館(旧青山家別邸)(@小樽):鶴見中尉と杉元が対面した牡丹の部屋、中庭
この3つが融合して作中のニシン番屋となっているので要注意!小樽で見ることができるのは①と③。
丘の上に建つ鰊御殿。入ってみると広い!当時の道具や鰊漁の仕組みなどが展示されています。
2階への階段を登るこの感じ!!辺見が杉元を案内するシーンが甦る。漫画では細かく描かれていないけど、この階段の手すりの透かし彫りがオシャレ!(※第5巻40話を見返してみるとうっすらとこの透かし彫りも描いてあった‼細かすぎるリアリティ…)
漫画で「隠れ場所が一杯あります!」と辺見が言っていましたが、実際にも2階に隠し部屋がありました。この隠し部屋の用途についてはさまざまな説があるようですが、例えば年によって豊作/凶作が激しい鰊漁のため、取り立てから家族が逃れるため、あるいは雇った人を前の雇い主が取り返しに来た時の隠れ場所など…。
鰊番屋の隠し部屋は、尾形の名セリフの1つ「どんなもんだい」でお馴染みの「雪原の用心棒」(第6巻59話)で出てきますね!
小樽貴賓館(旧青山別邸)
丘の上の鰊御殿から歩いて15分ほど。第5巻40話で、鰊大尽と鶴見中尉の会合シーンでの中庭、そして鶴見中尉と杉元が出会った「牡丹の間」がある旧青山別邸へ。
鰊漁で財を成した3つの大家の内の1つが、この青山家。
青山家は明治・大正を通じ、にしん漁で巨万の富を築き上げました。その三代目、政恵が十七歳の時、山形県酒田市にある本間邸に魅せられ大正六年から六年半余りの歳月をかけ建てた別荘が旧青山別邸です。旧青山別邸は平成22年、国より登録有形文化財に指定されました。
貴賓館HPより
(中略)
家屋の中は6畳~15畳の部屋が18室、それぞれに趣が異なり、金に糸目をつけず建てられた豪邸です。
旧青山別邸の内部は撮影禁止。美術品がガラスケースなく近くで見ることができます。日本美術史を専攻していた私としては、二度見する位にしれっと池大雅や岸狗といった近世の画家の作品が並んであって、思わぬ美術鑑賞タイムになりました。
美術作品だけでなく、欄間の彫刻の細やかさ、襖の引手金具が豪華な七宝造りになっているなど、贅を尽くした建築・調度の数々に、大富豪の暮らしを追体験。
ちなみに旧青山別邸は『ゴールデンカムイ』だけでなく、『花より男子』にも登場しているとのこと(序盤の道明寺司&大河原滋と、花沢類&牧野つくしカップルが温泉に泊まるという話の温泉宿として登場しているらしい)。思わぬ聖地巡礼‼
昼ご飯はもちろん鰊そば、デザートにシマエナガ!?
小樽貴賓館ではレストラン「花かずら」で食事やお茶をすることができます。
ちょうどお昼時だったので「これはもう鰊そばでしょ!」と思ってメニューを見たら、「シマエナガのお菓子と抹茶(コーヒー)」なるものが!!これは…気に…なる!!!
ちょっと違うけど、杉元と同じくシマエナガを食べてしまいました。こちらのシマエナガはちょっともっちりとした食感の甘くて美味しい味でした。一服、一服。
小樽貴賓館の庭では特に紫陽花が有名なようで、紫陽花シーズン限定の青色のクリームソーダは、メニューを見る限りめちゃくちゃ可愛い!!お腹と財布が無尽蔵ならこちらも注文してみたかった。
小樽市総合博物館(本館・運河館)
青山別邸から一番近いバス停「祝津3丁目」から「手宮」で下車して、次の目的地小樽市総合博物館の本館に向かいます。
本館:”地獄行きの暴走列車”こと「しづか」
ここでの最大の見どころは何と言っても「しづか」。最終決戦も最終決戦である暴走列車が目の前に!!
「しづか」の近くに野田先生の色紙も展示。
本来なら車両や運転室の中に入って見学することもできるようですが、新型コロナウイルスの影響で中に入っての見学はできませんでした(2022/8月時点)。見学エリアのギリギリまで近づいてパチリ。
1階では北海道の鉄道開発の歴史をジオラマなどを使って展示。小樽が北海道の鉄道開発の起点だったのかー。明治時代において小樽は金融街でもあり鉄道の起点でもあり、北海道の近代化の起点であったことがわかります。
小樽市総合博物館の本館と運河館は徒歩で移動がおすすめ
本館から運河館は歩くと約20分。バスでも行けますが、私は断然徒歩をおすすめします!
バスの時間帯にもよりますが、待ち時間を含めるとそんなに短縮にならないと思うのと、本館から運河沿いを歩けば、運河館までの間にある倉庫群を楽しむことができるからです。
私は行けなかったですが、旧日本郵政小樽支店(2023年まで工事のため休館)も総合博物館の本館と運河館の間に位置しているので、これから聖地巡礼をする人は間に組み込むと良いと思います。(くれぐれも工事完了の日程はご確認を!)
【旧日本郵政小樽支店はここに登場!】
①第1巻3話、小樽が「北のウォール街」と説明している1コマ
②第3巻の表紙絵(銃を構える土方歳三の背景)
運河館:アシリパのテタラぺ&鶴見中尉の武器の取引シーン
そうこうするうちに、運河館に到着!運河館のポイントは2つ。
【運河館はここに登場!】
①外観:鶴見中尉が外国商人と武器の取引を行うシーン(第4巻30、31話)
②展示:アシリパが着ている白いテタラぺ
運河館では鰊漁に関する展示のほか、北海道の自然・考古に関する展示もあります。この運河館の特徴でもある屋根のシャチホコも。
中庭に出てエントランスがある棟の扉を見ると鶴見中尉!!このアングルでのこのポーズの鶴見中尉はやばい!死神感が増す‼(笑)
ちなみに、運河館では希望者に『小樽の文化財』という冊子を無料でもらうことができます。鰊御殿・旧青山別邸・旧日本郵政小樽支店などの建築のほか、手宮洞窟など自然科学系の文化スポットの解説がまとまった冊子なので、もらっておくと参考になります!
小樽浪漫館&大正浪漫館
運河館から徒歩10分ほどで、小樽浪漫館と大正浪漫館の2つの建物があるエリアに到着。
【小樽浪漫館はここに登場!】
第4巻34話「接触」、小樽浪漫館は土方歳三が和泉守兼定を奪い返した銀行
漫画では壁面の蔦はありませが、こちらはこちらで趣あり。現在はガラスアクセサリーなどの販売するお店「小樽浪漫館」となっています。
【大正浪漫館はここに登場!】
第2巻15話、鰊そばを食べていた杉元を二階堂兄弟が発見し捕まえたところ、鶴見中尉が空に銃を撃ち「そこまで」と言うシーン
小樽浪漫館と用水路を挟んだ向かい側が大正浪漫館。この角度、作中では反転して登場していますが、特徴的な外観なので気づきやすい!
小樽新倉屋の花園だんご
第2巻で、小樽で杉元が第七師団に捕まり、鶴見中尉に団子の串をぶっ刺されていましたが、その時に食べていたのが小樽名物の「花園だんご」。
本店は小樽駅と大正浪漫館・小樽浪漫館のちょうど間に位置しています。基本の営業時間は~18:00ですが、私が行った時は16時閉店だったので、事前に確認するか早めの訪問が良いかもしれません。
どれも美味しかった!!漫画に登場したみたらし団子はもちろん、あんもさっぱりとしてちょうどいい甘さで、胡麻もたっぷりとかかっているのが嬉しい。
しょうゆのタレでテーブルに「不死身」の「ふ」を書いて…なんて行儀の悪いことはせず、静かに美味しくいただきました!
ありがたいことに、お店で充電させてくれたのでモバイルバッテリーを持っていない私には救世主なお店でした‼
おまけ:日本銀行小樽支店
花園だんごの新倉屋の近くに、日本銀行小樽支店の建物があります。漫画の聖地になってはいない(はず)ですが、入館無料で内部を見学できるので是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
『金カム』でも「金融街」と紹介されていましたが、日銀小樽支店は史実の上でもまさに「北のウォール街」の中核の場所であったと思えば、併せて見学すると一層明治時代の小樽の雰囲気を味わえるのではないでしょうか。
建築の設計は、東京の日本銀行本店の設計で有名な辰野金吾の指導により、長野宇平治、岡田信一郎の設計とのこと。やはりどことなく日銀本店に似ている。
建物の外観、内装に使われているこのエンブレムは、解説によると「アイヌの守り神でもあるシマフクロウ」をモチーフにしています。職員がいない夜でも銀行を見張る意味があったのかも。
『金カム』でも物語のスタートは小樽でしたが、鉄道、金融、ニシン漁の隆盛とそれによる繁栄…と、歴史的にも小樽は、北海道における近代化の起点として重要な場所だったことを実感できました。そうした背景があったかからこそ、物語のスタートを小樽にしたんでしょうかね??
この後の旅でも思う事ですが、作者の野田先生は、「外観がそれっぽいからモデルにした」ということではなく、実際の史実(実在の建物)のイメージと作中での登場のさせ方をリンクさせているように思いました。
さて、旅はまだまだ続きます!
次回:札幌・開拓の村編に続く
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