2024年の大河ドラマは、平安時代の女流作家、紫式部を主人公にした『光る君へ』に決定しました。『源氏物語』を書いたことで有名な紫式部ですが、その式部が『源氏物語』の構想を思いついた場所と言われているのが、滋賀県にある石山寺。
女流作家の先駆けである紫式部の文才に少しでもあやかろうと(笑)、先日石山寺を訪問しました。
本当に”石の山”に建つ「石山寺」
JR京都駅から東海道本線(琵琶湖線)で約13分、石山駅に到着。そこからバスで約10分ほど揺られて石山寺門前で降りればすぐ、に到着。琵琶湖から続く瀬田川の穏やかな川の畔に、立派な山門に圧倒されます。
「石山寺」というだけあって、境内には巨大な石が!!ここだけ中国の山水画のような異国情緒溢れる風情。この石は硅灰石(けいかいせき)という石で、天然記念物に指定されています。彫刻したかのような威風堂々たる光景。
『源氏物語』はここから生まれたー紫式部源氏の間
国宝に指定されている本堂は、平安時代の創建。その本堂の一室に「紫式部源氏の間」があります。紫式部がこの一室で月を見て、『源氏物語』の構想を思いついたと言われる場所です。
この場所で式部は中秋の名月を見て、須磨に流された貴公子が月を眺めて都を想うシーンを構想したとされ、「今宵は十五夜なりけり」という一文を書き出し、これが『源氏物語』の書き出しと言われているそう。
「鎌倉殿」(源頼朝)が寄進した多宝塔
本堂の奥には源頼朝が寄進したとされる多宝塔もあり、建久5年(1194)に創建され、年代が分かる多宝塔の中では最古。均整なフォルムが美しい。塔の中には快慶作の大日如来坐像が本尊として安置されています。
その他にも見どころ満載ーーワンダーランドなお寺
広大な敷地なので1日ではとてもじゃないけどまわり切れない(笑)。山の中に建つお寺という事もあり、境内には多種多様な植物で溢れています。春の桜、秋の紅葉はもちろん、梅、藤、つつじや紫陽花…と1年を通して四季折々の花が境内を彩っています。
さらに奥には、龍穴(りゅうけつ)の池があり、その池の中に八大龍王社が建立されています。古くからここで雨乞いの法を唱えると、雨が降ると言われているようです。木々で囲まれた中にひっそりとある小さな池と社は、まるで『もののけ姫』の世界のような神秘的な雰囲気が漂います。
そして無憂園という庭園のような場所では、「甘露の滝」という滝があり、1つのお寺の中で、景色や雰囲気がどんどん変わっていく、ワンダーランドな世界!!
京都の開けた場所に鎮座する、一種の権威的な在り方とは違い、山々の間に溶け込むようにある石山寺は、また京都の大寺院とは違う趣に溢れています。
春と秋は展示室で宝物の展示
石山寺では、春と秋に宝物館である豊浄殿で企画展示をしています。この時期に訪れる時は、こちらも併せて見るのがおススメです!
門前のお店でいっぷく
広い境内を散策した後は、お寺の門前でいっぷく…というよりがっつりお食事!いくつかお店がある中で、滋賀の名物「しじみめし」が食べられる「湖舟」さんへ。
釜めしが美味しすぎる!!おばんざいも手が込んでいるし、プラスで付けたうなぎもふっくらパリパリで頬が落ちそう。散策でちょっと疲れた身体もこれで復活です!
ご飯だけでなくスイーツも絶品。トロットロの石山寺プリンや、珍しい”揚げ”みたらし団子のお店も。特に揚げみたらし団子の「梅の香(梅ダレ)」が珍しくて買ってみたけどこれが美味しい。揚げた団子に梅ダレのさっぱりとした味がちょうどいい!
2024年に大河ドラマ『光る君へ』が始まれば、さらに注目を浴びるであろう石山寺。穏やかな近江の空気の中で、静かに佇む素敵なお寺でした!
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