先日、『ゴールデンカムイ』のアイヌ語監修・中川裕先生のトークイベントに参加して、漫画で描かれている以上に、アイヌの人々の暮らしや考え方の豊かさや面白さに感銘を受けました。その時、アイヌ文様の講座・体験イベントの案内があったので、こちらにも参加してきました!
今回はその体験イベントを紹介します!
イベント概要
イベントは、アイヌ文化について発信しているhaponetay (ハポネタイ)という団体が主宰。北海道でもアイヌ文化にまつわる活動を行い、東京では巣鴨のRYOZAN PARKを中心に活動しています。
RYOZAN PARKはギャラリーやラウンジ、コワーキングスペース、レジデンスを営むコミュニティスペース。色んなイベントが開催されているようです!
アイヌ文様とは
アイヌ文様とは、アイヌ民族が用いる着物や、木皿、マキリ(小刀)の道具類などに表された柄のことです。たとえば「日本の伝統文様」と一口に行っても具体的には花鳥草木、動物、幾何学模様など多種多様なように、アイヌの文様もバリエーション豊かです。
その中でもとくに多くみられるのは次の3つとのこと。
- mo-rew(モレウ) …[mo]は小さい、[rew]は曲がる、という意味
- ay-us(アイウシ)…[ay]はとげ、[us]はついている、という意味
- ramram-moka(ラムラムモカ)…[ramuram]はうろこ、[moka]は彫刻、の意味
講師の平田さん曰く、北海道の地域によっても文様の入れ方は様々で、例えば道東のアイヌはあまり文様を入れず、西の方は本州との交易で布が手に入りやすいため着物の全面に文様を施すという傾向があるようです。
また時代によっても、生活に余裕がある時代には文様は派手になる傾向になり、苦しい時代や明治以降の同化政策が進むと控えめになるということあるという事でした。
いざ製作開始!
今回は手軽にアイヌ文様を知るため、紺の木綿生地の下地に、白・赤のフェルトを貼り付ける形で製作していきます。今どきのフェルトは裏がシールみたいになっているそうで、お手軽ですね!
型紙で文様を写す
アイヌ文様を象徴する「白」のフェルトに、先生が用意してくれた文様の型紙を鉛筆でなぞっていきます。不器用な私はすでにドキドキ(笑)
下地に貼り付け
写した線に沿ってカッターやハサミで切り抜き作業。工作なんて何十年ぶり&フェルト生地なんてめったに手にしないのでここでも不器用が発動!先端やカーブなど細かい箇所に悪戦苦闘。
白地部分にラインを入れる
白地部分の中央に走るラインは、本来は刺繍で表していきますが、今回は簡易版としてペンで描いていきます。ay-us(アイウシ)の部分だの絶妙なラインがなかなか上手くいかない。他の参加者の方は自分で刺繍をするという方もいました。
アイヌの刺繍の仕方には、通常の刺繍とはちがって、芯となる糸(ちょうどラインになる部分)を、別の糸で押さえるようにして縫う方法が用いられるそうです。初めて知ったけどめちゃくた大変そう…
赤地でアクセントをつけて完成
最後に、中央と4つの渦の中に、赤の裂地で十字形と四角の模様を加えて、上下の赤のラインにもay-usの模様をペンで描いて、完成!!
最後に
ワークショップでは、文様の話だけでなく、食事や文化、歴史についても先生から様々な話を聞くことができました。
この本の表紙の(『ゴールデンカムイ』の登場人物アシ(リ)パが手にしている)イクパスイと呼ばれる、アイヌの儀式で用いられる祭具も、伝統的な文様を彫ることもあれば、イルカや船を象ったものを取り付けるなど、自由に造形しているそうです。
以前、『ゴールデンカムイ』のアイヌ語監修をしている中川先生のトークイベントでも、「生きた伝統とは変化していくこと」ということを仰っていましたが、”形そのもの”が大事ではなく、そこにどういう思いを乗せているか、その精神、在り方こそが伝統なのだと思いました。
※『ゴールデンカムイ』アイヌ語監修・中川裕先生のトークイベントのレポートはこちら
自分がまさかこれほどアイヌ文化に興味を持つとは1年前なら考えられませんでした。イベントの主催者であるUtaEさんは、アイヌと日本人のハーフですが、アイヌの文化についてもっと気軽に親しんでもらいたいと仰っていました。こうした体験イベントで、アイヌ文化に触れるハードルを低くして、その中で単に見た目の面白さを楽しむだけでなく、その背景の歴史や思想などにも触れて深めて行きたいですね。
額に入れたアイヌ文様の作品は、家に帰って速攻で玄関に飾りました!なんだか家を守ってくれそうで、不思議なエネルギーに満ちている気がします!!
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